Ultra Book PCついに終焉。ウルトラブックPCの雄AcerとAsusが撤退。タブレット市場の行方を占う。

MacRumorsさんが英紙ガーディアンの情報として伝えたところによると、ウルトラブックPCの雄AcerとAsusの両社が今年限りでUltrabook PCから手を引くとのことです。

ウルトラブックPCは、別名ネットブックとも呼ばれている小型、低スペック、廉価PCです。

実際、2013年の売り上げ数は、かつての1億3900万台どころか、むしろゼロに近いと言っても過言ではないと、台湾の技術サイトDigitimesが報じている。2007年、旧来のノートブックPC市場に大打撃を与えたEee PCを生み出したAsusが、本日以降ウルトラブックを製造しないと発表した。またAcerも今後の生産打ち切りを発表している。つまり、これが意味するのは「今後この2社の在庫がはけてしまえば、ウルトラブック市場は正式に終焉を迎える」ということである。

 

ウルトラブックPC誕生から普及まで

スクリーンショット 2012 11 17 23 39 03それを打破したのがAsusのUltrabook PC、その名も「Eee PC」でした。スペックを大きく切り詰め、「ネットブラウジング+書類作成」に必要充分な程度のスペックでB5サイズのPCをわずか5〜6万円という低価格で発売しました。2005年頃までは旧来のA4フルサイズノートPCが主流でした。それ以下のモバイルPCはパナソニックのLet’s Noteや富士通のBibloなど、4Aフルサイズよりもかなり高価なものが中心でした。

PHS回線を利用したモバイルデータ通信の隆盛期とも重なり、モバイルで仕事する、ネットするというライフスタイルに魅了されたユーザーに一気に広まりました。加えて、軽い作業しかしない、ライトPCユーザーにもコストパフォーマンスの高さが人気になり爆発的な売り上げを記録し、旧来のフルサイズノートPC市場を大きく切り崩しました。

ウルトラブック市場の低迷

Asus, Acerなどの台湾系メーカーのUltrabookでの市場進出に対抗するため、大手メーカーも、自社のラインナップにUltrabookを投入しました。メーカーの信頼を武器にやや高めの価格設定で販売し、それなりの売り上げを収めます。この時点で、やや飽和状態となっていた、ウルトラブック市場に大打撃となる事件が起こります。

そう、2010年のiPad登場です。

iPodの普及、iPhoneの発売を通じて、non-macユーザーにもApple製品のイメージが浸透していたこともあり、初日に米国内で30万台の売り上げを記録し、その後もタブレットという新ジャンルを武器に大きくシェアを伸ばします。

新しく成立したタブレット市場が食ったのは、主にネットユースを中心としていたウルトラブック市場でした。キーボードをあまり必要としないネットブラウジングでは、タブレットPCにマイナスポイントはなく、むしろ携帯性、操作性、スタイリッシュさでユーザーに訴求しました。

また、純粋なモバイルPC市場の変化も大きな影響を与えています。

MacBook Airの登場を皮切りに、高品質、そこそこ低価格の薄型ノートPC路線の拡大です。

初代こそ「極薄で超高級」でしたが、その極薄イメージのインパクトはかなり野茂でした。また、その後大きく価格設定を下げたことで、「極薄、高品質で普通のノートPCの値段」という強力な市場アピールの製品の登場で、まっとうにPCとして使いたい層には、ウルトラブックよりも遥かに魅力的なノートPCだったのです。

 

タブレット市場の今後

昨年はタブレット市場も成熟期に入ったと言える一年でした。

有名メーカーのタブレットでは、AppleのiPadに加え、iPad mini、Microsoftの各種Windows8タブレット、AmazonのKindle Fire HD、、その他Android勢ではNexus 7を初め多数がリリースされ、消費者にとっては選ぶのに困るほどのラインナップです。

加えて、中小メーカーやショップブランドの低価格帯向けのタブレットPCも1万円を切る価格帯で、登場して来ています。

従来のノートブック市場にウルトラブックが登場した頃に少し似た状況になっているように感じます。今後は商品価値の高い高価格機と、コスト重視の低価格機の二極化が進行するのかもしれません。

そう考えた時注目したいのは、Appleがミニタブレット市場に進出するために投入したiPad minの価格設定です。対抗各社の15,000〜2万円台とはあえて1ランク上の3万円台後半からという価格設定は、消費者からも賛否両論、大きな反響を呼びました。価格が下がらなかったのは利益確保のためであるということですが、低価格路線を選ばなかったことが、逆にブランドイメージの保持、他社との差別化につながっているようにも感じます。

かつてiPodが広まった時、ちょっと高級なところが、魅力を引き立てていたように感じたのは懐かしい記憶です。

この戦略が奏功するのか、今後のiPad miniの売り上げ、そして次期モデルでの価格設定に注目する必要がありそうです。

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