ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米国内でAmazonと書店や出版他社との戦いが続いているようでうす。
特に大手書店バーンズ・アンド・ノーブルズが本年はじめに、「Amazon出版と契約した作家の作品は扱わない」と決め手から、緊張状態が続いています。
この秋のアマゾンの最大の目玉は女優・監督のペニー・マーシャル氏の「My Mother Was Nuts(私の母は変だった)」だ。だが、ニールセン・ブックスキャンの調査では、この単行本は、発売から4週間でわずか7000部しか売れなかった。
もちろん、本の人気がないだけなのかもしれませんが、
しかし、この本が売れなかったのは、書店で手に入れるのが非常に難しかったからだ。バーンズ&ノーブル(B&N)の全国689店舗ばかりか、ウォルマート・ストアーズにもターゲットにも置かれなかった。一部の独立系の書店も置かなかった。電子書籍を売るソニー、アップル、グーグルを通じても買うこともできなかった。
という状況が影響していることも間違いないでしょう。
この対立は電子出版業界と、従来の出版・印刷・書店連合の戦いだとは単純には言えません。
というのは、
バーンズ・アンド・ノーブルズ自身もNook電子ブックリーダーを販売しており、今年前期にはマイクロソフトからの出資を受け入れ、事業の立て直しを図っているという事情があります。
そして、間もなく発売されるWindows8にはおそらくNookソフトウェアをプリインストールするのではないでしょうか。
ただし、Amazonがバーンズ・アンド・ノーブルズ以外の小売書店からも睨まれているのは、作家との独占契約を結び、自らが出版社の役割まで一括して担ってしまったことも大きな原因の様です。
Amazon独占契約の作家が出てきたことがきっかけで、今回のように「独占ではない契約」の作家まで割を食うはめになっているようです。
日本では遅々として電子ブック大手販売店の進出が進みませんが、できたらできたで色々不都合が起こってくることは間違いないでしょう。
しかし、先日お伝えしたNews Week誌の紙雑誌からの撤退が象徴するように、電子ブックが主流になる時代が到来することが予想されます。
そこを睨んで早めに対応を撮ることが出版各社にとっては重要になってくると考えます。
ユーザーは便利な方に流れる。これを否定できる人はいないはずです。